幸平一家最新組織図2026|歴代総長・幹部構成と警察の対応を徹底解説
東京の裏社会を語るうえで、幸平一家の名前を避けて通ることはできない。指定暴力団・住吉会の二次団体として長い歴史を持つこの組織は、2026年現在、警視庁から史上類を見ない規模の集中的な捜査を受けている。本記事では、幸平一家の最新組織図をはじめ、その歴代総長の系譜、主要幹部の役割分担、活動エリア、そして近年の事件の全体像を、公的情報をもとに客観的に整理する。
幸平一家とは何か - 成り立ちと基本情報
幸平一家(こうへいいっか)は、東京都板橋区大山金井町に本拠を置く博徒系暴力団で、指定暴力団・住吉会の二次団体だ。縄張りは池袋、上板橋、高田馬場、椎名町、江古田、中野などを中心としている。その起源は幕末にさかのぼる。江古田の幸平こと藤沢幸平が結成し、十代目総長・青田富太郎は住吉会の前身である港会の会長にも就任した。
組織の代紋も、その歴史の深さを物語っている。初代・江古田幸平の家紋だった「下がり藤」を幸平一家の代紋として使用している。博徒系の組織らしく、伝統的な様式を重んじる一方で、近年は活動範囲が都内にとどまらず急速に拡大している。
歴代総長の系譜 - 初代から十三代目まで
幸平一家の組織図を理解するには、まず歴代総長の流れを押さえておく必要がある。初代・藤沢幸平に始まり、二代目・矢島熊蔵、三代目・寺沢久太郎、四代目・浅井藤助、五代目・森田音次郎、六代目・足立勘助、七代目・高山寅吉、八代目・佐藤虎吉、九代目・本橋政夫、十代目・青田富太郎(港会会長)、十一代目・清水幸一、十二代目・築地久松(住吉会常任相談役・住吉会会長補佐)、そして現在の十三代目・加藤英幸(住吉会渉外委員長)へと続く。
この系譜が示すのは、単なる世代交代の記録ではない。各総長が住吉会本体の役職を兼任してきた歴史が、幸平一家の住吉会内における地位の高さを如実に示している。十三代目・加藤英幸が住吉会渉外委員長を兼ねていることも、その延長線上にある。
幸平一家最新組織図 - 十三代目の幹部構成
現在の幸平一家の組織図は、総長を頂点に複数の役職が連なる階層構造を取っている。公開されている情報によれば、総長は加藤英幸が務め、総長舎弟に佐藤鉄栄(上板橋貸元・佐藤睦会会長)、総長代行に矢野治(矢野睦会顧問)が就いている。
理事長は伊藤昇(中野新橋貸元・大昇會会長)、幹事長は入里林一(早稲田貸元・幸友会会長)、本部長は青木健二(雑司ヶ谷貸元・青木会会長)がそれぞれ担っている。さらに、総長室長に藤本政弘(高田馬場貸元・大昇會会長代行)、事務局長に堺俊二(沼袋貸元・堺組組長)が配置されている。そして注目すべき役職が幹事長補佐だ。幹事長補佐には小坂聡(新宿落合貸元)が就いており、彼は住吉会の会長代行も兼務するという、きわめて重要な地位を占めている。
住吉会の組織図の中でも、幸平一家の幹部が要職を押さえていることがわかる。住吉会の九代目体制では、副総裁に加藤英幸(十三代目幸平一家総長)が就き、渉外委員長に入里林一(十三代目幸平一家幹事長)、運営委員長に金亨東(十三代目幸平一家幹事長補佐)が就任している。これほど多くのポストを一つの二次団体が抑えている例は異例だ。
加藤連合会 - 幸平一家の有力な三次団体
幸平一家の傘下には複数の組織が連なるが、とりわけ注目度が高いのが加藤連合会だ。加藤連合会は東京都新宿区歌舞伎町に本部を置く暴力団で、指定暴力団・住吉会の三次団体であり、上部団体は十三代目幸平一家だ。
加藤連合会の会長は小坂聡が務め、住吉会会長代行および十三代目幸平一家総長代行も兼務している。一人の人物がこれほど多くの要職を兼ねるのは、組織内での影響力の集中を示す。2025年には、六代目山口組若頭補佐中田浩司(五代目山健組組長)と盃を交わす運びとなっていたが、何らかの理由で中止になったと報じられた。東日本最大規模の組織と西日本最大組織との関係が流動化したこの出来事は、業界内で広く注目された。
縄張りの広がり - 都内から全国へ
幸平一家の勢力圏は近年、急速に拡大している。西武新宿線や西武池袋線沿線など広範な地域を縄張りとしており、池袋、上板橋、高田馬場、椎名町、江古田、沼袋、中野、中野新橋、新宿落合、早稲田、雑司ヶ谷、牛込、神楽坂、中井、目白、井草、宇都宮、旧二本木一家の埼玉地域などが含まれる。
ただし、それは都内だけの話ではない。2023年3月頃から、東京都内または関東地方だけでなく、福岡県福岡市博多区、北九州市、兵庫県神戸市、愛媛県、北海道札幌市、旭川市においても傘下組織が頻繁に活動しており、活動範囲が全国に及ぼうとしているとして警視庁が注視している。これほどの広域展開は、従来の東京ローカルな博徒系組織のイメージを大きく覆すものだ。
警視庁による前例なき取締り - 2026年の大規模対策
幸平一家をめぐる法執行機関の動きは、2026年に入って一段と激しくなった。その直接的な引き金となったのは、特殊詐欺への深い関与だ。2025年に警視庁が特殊詐欺事件で検挙した暴力団員のうち、4割以上が幸平一家とその傘下組織の構成員だったことが明らかになった。この数字は衝撃的だった。
これを受けて、当局は異例の体制を整えた。2026年1月15日、警視庁暴力団対策課は、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)対策強化の一環として、「住吉会幸平一家特別対策本部」を発足させた。指定暴力団の傘下組織を対象とした対策本部は警視庁で初めてのことだ。本部長には警視庁副総監が就任し、専従捜査員は70人以上を擁する規模となった。
この特別対策本部の設置は、警察が幸平一家を単なる暴力団ではなく、社会インフラを脅かす組織犯罪グループとして位置づけ直したことを意味する。70人超の専従捜査員という規模も、いかに当局が本腰を入れているかを物語る。
相次ぐ逮捕と事件 - 2026年の主な動向
特別対策本部設置後、逮捕案件は続発している。2026年4月13日、警視庁と東京税関の共同捜査本部は、住吉会幸平一家系組員(30)を覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)の疑いで逮捕した。2024年4月に仲間と共謀し、アメリカから国際宅配便で覚醒剤およそ5キロ、末端価格2億6800万円相当を金属製の筒状フィルターの中に隠し、ダンボール1箱を送ったところ、成田空港で東京税関職員による検査で発見されていた。
2026年6月23日には大阪府警が、住吉会幸平一家傘下組織幹部(48)ら男4人を殺人未遂容疑で逮捕したと発表した。幹部は他の男3人らと共謀し、同年5月27日未明、大阪市福島区の路上で車を止めていた30歳代男性の顔を、長さ約40センチの鉄製の斧で殴って殺害しようとした疑いが持たれている。拠点が東京であるにもかかわらず、大阪での暴力事件にも関与が疑われる点は、全国展開の実態を改めて示した。
幸平一家と住吉会の関係 - 住吉会内での立ち位置
幸平一家は住吉会の中でも、特別な存在感を持つ。住吉会の体制において、加藤英幸(十三代目幸平一家総長)は副総裁の地位に就いており、これは住吉会内部での幸平一家の影響力の大きさを示している。
住吉会の執行部にも幸平一家の幹部の名が並ぶ。渉外委員長として入里林一(十三代目幸平一家幹事長)が、運営委員長として金亨東(十三代目幸平一家幹事長補佐)が就任しているほか、住吉会の会長代行には小坂聡が就き、彼は十三代目幸平一家幹事長補佐・新宿落合貸元・加藤連合会会長も兼務している。これだけの役職を一つの二次団体から輩出している事実は、幸平一家が住吉会の中核を担っていることを端的に示す。
トクリュウとの関係 - 匿名・流動型犯罪グループとの接点
近年の捜査でとりわけ注目されているのが、いわゆる「トクリュウ」との接点だ。匿名・流動型犯罪グループとは、暴力団の直接的な構成員でない人間をゆるやかに組み込んだ形態の組織犯罪で、摘発が難しいとされる。幸平一家がこの形態の犯罪に深く関与しているとみた警視庁が、専任対策本部を設置した背景にはこの問題意識がある。
特殊詐欺への関与がその象徴だ。組員が直接手を汚さず、末端の「受け子」「出し子」を使って詐取した金を吸い上げる構造が確認されており、2025年の検挙データでも、特殊詐欺事件で逮捕された暴力団員の4割超が幸平一家系という結果が出ている。暴力団の関与を表面から見えにくくする手口が、捜査当局の対応を困難にしている。
幸平一家をめぐる社会的影響と今後の展望
幸平一家の活動が社会に与える影響は、暴力団問題の枠を超えている。特殊詐欺の被害者は一般市民であり、覚醒剤の密輸は地域社会の安全を直接脅かす。大阪での殺人未遂事件のように、全国各地で関連事件が起きていることも、その広域性を裏付ける。
警視庁が「住吉会幸平一家特別対策本部」という専門機関を設けた事実は、日本の治安行政において一つの転換点を意味する。従来の暴力団対策の枠組みでは追いきれない、流動的かつ広域的な組織犯罪への対応を迫られている現実がある。今後、組員の逮捕が続くにつれ、組織図がさらに変動していく可能性は十分にある。
幸平一家の最新組織図を理解することは、単に組織の内部構造を知ることにとどまらない。それは、現代日本の組織犯罪がいかに複雑化し、広域化しているかを映す鏡でもある。警視庁の異例の対応が何をもたらすか、引き続き注視が必要だ。